愛を込めて極北

 これら間違った知識に基づいて、無数の探検家たちが極北へと旅立っていき。


 悲劇的な結末に終わった事例も多い。


 数々の悲劇の中で最大のものが、「フランクリン探検隊の失踪」だった。


 「一時期西欧諸国は、北西航路開拓に躍起となっていましたが、1700年を迎えたあたりからブームは下火になっていったのです」


 その原因としては、スペイン・ポルトガルの両大国の勢力が弱体化してきて、他の国々の航行に対して妨害行為をできなくなったことと。


 地球寒冷化によるものか、気温低下による気候の悪化のため、北極海の航行がさらに困難となり、リスクを冒してまで新たな航路を確立する必要性がなくなってしまったからだ。


 やがてヨーロッパ世界は独立やら革命、そしてナポレオン戦争の時代へと突入し、幻の航路発見に力を注ぐ余裕はなくなっていった。