愛を込めて極北

 「……いったいいつまで」


 恐る恐る楠木は、百合さんに尋ねた。


 「さあ……。分からない。明日かもしれないし、死ぬ間際かもしれない」


 ということは、いつになるか分からない「その日」まで、楠木の人生は結局、百合さんの支配下に置かれ続けたまま?


 縛られたままの楠木のそばにいて、私は……?


 「あえて危険な場所に飛び込んでいく人の帰りを、心静かに待つ人になんてなれないって、今回の一件で身に染みたから。私はスポンサーの立場が分相応」


 私の心の声を見透かしたのか、続いて百合さんは私に告げた。


 「スポンサーの私に不安感を与えないように、楠木の活動をサポートし続けることがあなたにできる?」


 できないという答えを前提としているような口調で、私に問いかける。


 「私……」


 今までの楠木の人生において、最も貢献してきた女性の前で。


 私はこれからの尽力を誓うことなど……できるのだろうか。