愛を込めて極北

 「美花さん……! 暁から連絡がないの!」


 百合さんが私目がけて駆け寄ってきた。


 「どうしよう、暁が……!」


 最初、非難されるのかと思い身構えた。


 しかし百合さんの表情は私を咎めるというよりも、むしろ憔悴し切っている。


 そして目は潤んでいる。


 「何てことに……。こんなことになるくらいなら、あの時……」


 そう告げて私にもたれかかるように、百合さんは崩れ落ちた。


 「百合さん!?」


 思わぬ展開に私は戸惑う。


 非難され、罵られるのだろうと覚悟はしていたけれど……。


 泣き付かれるとは想定外だった。


 「百合さん、まずは落ち着きましょう。まだ今日の捜索に関する情報は、入ってきていませんし……」


 「だって……。行方不明になってもう三日は経過しているのよ。しかも食料一切は置き去られたリュックの中。こうしている間にも状況は刻々と厳しくなっていくんだから……!」


 百合さんの言う通りだ。


 ただ楠木はどうして、リュックを置いたまま消えたのだろう。


 命綱に等しいリュックを……。


 未だそれは謎のままだ。