愛を込めて極北

 「今どこにいるの!?」


 「い、家の前にいますが」


 とっさのことでごまかすこともできず、正直に話してしまった。


 「連絡が付かない場合、直接家まで押しかけるつもりでもう車を走らせ、あともう少しで美花ちゃんの家。あっ見えてきた!」


 「えっ!」


 曲がり角を曲がって、車のライトが近づいて来る。


 アポなしで見切り発車で車を走らせてきた、響さんが近付いている。


 「……美花ちゃん、何か大変なことになってるみたいだね。続きはまたにするか」


 私に告白中だった男も、さすがに雰囲気を察し、今日のところは帰宅しようとしている。


 「あっ、あの」


 今この人を返してしまっては、もう二度と「次」は訪れないような気がしていた。


 人生最大のチャンスを、棒に振ってしまうかもしれない。


 そんな予感がして、帰宅を食い止めようとしている私と。


 楠木の緊急事態を知り、何とかしなければと焦っている私がいる。