***
「お待たせ」
「お疲れさまでした」
午後11時、待ち合わせの場所に本当に楠木はやってきた。
そして車に乗り込むよう指示される。
「……」
「どうした。早く乗れよ。こんなところで駐車し続けたら、往来の迷惑だろ」
近所の書店の駐車場にて待ち合わせ。
私は奥のスペースに車を停め、楠木の車が駐車場の通路に停車中。
今のところ新たに車は入ってきていないけど、通路をふさぐ形で停まっている。
「こんなところで立ち話ってわけにもいかないだろ。とりあえず乗って」
私は躊躇し、動かないまま。
「もしかして警戒してるとか?」
警戒していないといえば嘘になるけれど、勘違いしてると思われるのも悔しいので反応に困る。
「そんなことしてたら、いつまでも話し合いできないだろ?」
苦笑されて悔しかったけれど。
この期に及んでは、もう何も起こり得ないだろうと予想し、助手席に乗り込んだ。
思えば楠木の車に乗るのは、初めての経験のような気がする。
「お待たせ」
「お疲れさまでした」
午後11時、待ち合わせの場所に本当に楠木はやってきた。
そして車に乗り込むよう指示される。
「……」
「どうした。早く乗れよ。こんなところで駐車し続けたら、往来の迷惑だろ」
近所の書店の駐車場にて待ち合わせ。
私は奥のスペースに車を停め、楠木の車が駐車場の通路に停車中。
今のところ新たに車は入ってきていないけど、通路をふさぐ形で停まっている。
「こんなところで立ち話ってわけにもいかないだろ。とりあえず乗って」
私は躊躇し、動かないまま。
「もしかして警戒してるとか?」
警戒していないといえば嘘になるけれど、勘違いしてると思われるのも悔しいので反応に困る。
「そんなことしてたら、いつまでも話し合いできないだろ?」
苦笑されて悔しかったけれど。
この期に及んでは、もう何も起こり得ないだろうと予想し、助手席に乗り込んだ。
思えば楠木の車に乗るのは、初めての経験のような気がする。



