愛を込めて極北

 「いつも支援ありがとうございます……」


 悔しいけれど、それが現実。


 楠木は日々スポンサー集めに走り回っているけれど、景気回復とは名ばかりのこのご時世、気前よく大金をポンと出してくれる企業はそうはない。


 リブラン社の存在なくして、楠木の活動は成り立たないのは事実。


 そしてそれは、リブラン社社長令嬢かつ副社長との、プライベートな関係に負うところが多い。


 もしも副社長からの寵愛を失い、リブラン社からの支援が打ち切られるようなことになれば……。


 最悪楠木は、夢をあきらめて別の方法で生計をなりたてて行かなければならなくなる可能性がある。


 「もしもあなたが、私以上に暁を支えてあげられるならば、暁を委ねることはやぶさかではないけれど」


 絶対に不可能だと分かっていながら、そんな提案をしてくる。


 「だけど暁のことを全て受け入れ、守ってあげられる人など、私の他にいるわけないのは間違いないんだから」


 自信満々にそう言い放つほど。


 「そう。私は暁の過去も未来も全て受け入れられると断言できる。男娼のようなことをして活動資金を工面していた暁を救い出し、彼に相応しい未来を提供してあげたのもこの私だし」


 活動資金を工面するために?


 男娼?


 男版娼婦、ってこと?


 何気なく口にしたであろう副社長の言葉の一つ一つが、私の心に突き刺さる。