アンダルテ ~王女と騎士の物語~


「ふぁぁぁあ…。」


「だらしないですよ、姫様。今日は沢山睡眠を取られたはずではないですか。」



今朝、召使たちが目を覚まし朝支度を始めようとした頃にアデルは城へと戻ってきた。エレナが来る前に寝巻きへと着替え、ベッドへと潜り込んだ彼女はすっかり目が覚めていたため昨晩出会った騎士のことを思い出しながら時間を潰していた。
しかし気合いのこもったエレナが来てから、あれやこれやと着飾られる間に眠気が襲い、ついあくびをしてしまったのだ。



「寝過ぎたから、あくびが出たのよ。」



「…いずれにせよ、今日は王子殿下をお出迎えする日ですので、皆様の前に出たら欠伸なんてしないでくださいね。」



「ふぁい…。」



緊張感のないアデルの様子に、エレナは彼女が高貴な貴族の前で大欠伸をかます姿が容易に想像でき頭を抱えた。



「湯浴み、マッサージ、ドレス、お化粧…できることは全てやったわ。あとは…」



どうか、姫様が素敵な男性と出会えますように…



今まで見たことのないアデルの仕上がりに、エレナは我ながら完璧だと何度も頷きながら主人の健闘を祈った。