「会いたかったのよ。どうしても。
ナーシャ、あなたも知っての通り、ロゼリアが結婚するでしょう?それに合わせて私も社交界にデビューするの。」
「ええ、知っております。アデル様の晴れ姿がこの目で見られないのは残念ですが…。」
「もちろん私の番はロゼリアの結婚式が済んでからなのだけれども、明日にはエルガーべの王子殿下がモルゼにいらっしゃるのよ。明日からは城の警備もいつもより強固になるし、お母様とお父様が私がどこかに連れ去られないかと心配して一日中どちらかと一緒のスケジュールを組まれているわ。とてもじゃないけど抜け出せないの…。」
「ごもっともですよ、アデル様。普通の姫は、まず抜け出すなんて発想に至りません。ましてや、社交界に出るとなると姫様のお顔が世間に知られてしまう。国王陛下や王妃様が必死になって隠していた頃は、この辺りを彷徨いても誰も気づきませんでしたが、もう許されませんよ。いいえ、私が許しません!」
「だからよ…!今日しかないと思ってナーシャに会いにきたの。」
だから怒らないで、
と眉根を寄せて可愛らしげにお願いするアデルに、今度はナーシャがたじたじになる番だった。
ここ数年で驚くほどに美しく成長したアデルだが、笑ったりおねだりする様子は年相応の少女らしく見える。
アデルの気持ちを思うと反論できなくなってしまったナーシャは、こうして何度も甘やかしてきてしまった自分を思い出してため息をついた。
「今回で終わりですよ。次からは私が王城にお伺いします。
今日は、塔までダデムに送らせます。」
「まぁ…!ダデムに…?それは申し訳ないわ。彼ももう寝ているでしょう?」
「いいえ、1人で帰るなど言語道断です。」
絶対に譲らないと言った表情のナーシャに、アデルは押し負けた。その代わり夜が明ける寸前まで宿で語り明かし、真っ青になりながらアデルを見送るナーシャに名残惜しみながら別れを告げたのだった。
ナーシャ、あなたも知っての通り、ロゼリアが結婚するでしょう?それに合わせて私も社交界にデビューするの。」
「ええ、知っております。アデル様の晴れ姿がこの目で見られないのは残念ですが…。」
「もちろん私の番はロゼリアの結婚式が済んでからなのだけれども、明日にはエルガーべの王子殿下がモルゼにいらっしゃるのよ。明日からは城の警備もいつもより強固になるし、お母様とお父様が私がどこかに連れ去られないかと心配して一日中どちらかと一緒のスケジュールを組まれているわ。とてもじゃないけど抜け出せないの…。」
「ごもっともですよ、アデル様。普通の姫は、まず抜け出すなんて発想に至りません。ましてや、社交界に出るとなると姫様のお顔が世間に知られてしまう。国王陛下や王妃様が必死になって隠していた頃は、この辺りを彷徨いても誰も気づきませんでしたが、もう許されませんよ。いいえ、私が許しません!」
「だからよ…!今日しかないと思ってナーシャに会いにきたの。」
だから怒らないで、
と眉根を寄せて可愛らしげにお願いするアデルに、今度はナーシャがたじたじになる番だった。
ここ数年で驚くほどに美しく成長したアデルだが、笑ったりおねだりする様子は年相応の少女らしく見える。
アデルの気持ちを思うと反論できなくなってしまったナーシャは、こうして何度も甘やかしてきてしまった自分を思い出してため息をついた。
「今回で終わりですよ。次からは私が王城にお伺いします。
今日は、塔までダデムに送らせます。」
「まぁ…!ダデムに…?それは申し訳ないわ。彼ももう寝ているでしょう?」
「いいえ、1人で帰るなど言語道断です。」
絶対に譲らないと言った表情のナーシャに、アデルは押し負けた。その代わり夜が明ける寸前まで宿で語り明かし、真っ青になりながらアデルを見送るナーシャに名残惜しみながら別れを告げたのだった。
