アンダルテ ~王女と騎士の物語~


かっとした男は青年につかみかかった。アデルは、はらはらしながらその場の行く末をただ見ているだけしかできない。思わず唇を噛み締めた。


ところが信じられないことが起きたのだ。
青年はひらりと男の手をかわすと、流れるような身のこなし方で一瞬で男の後ろに周り手刀で男を気絶させてしまったのだ。



青年は唖然としているアデルを一瞥すると、いつの間にか抜いた剣をアデルの上の男に向けた。



「こいつを連れて今すぐ消えろ。」



青年は今し方気絶して仰向けに倒れている男を見やる。
アデルの上にいた男は見るからに怯え、すぐにアデルを解放すると手足を震わせよろけながら相方をつれて路地裏の奥へと消えていった。