「……え?」


奏『こ…これでいいんだろ!!???

さ、さぁ!!!帰るぞ!!!
先行ってるからな!!!!!』


と言い放ち、体育館を急いで出た奏チャンに僕は呆然。


だって………。


潤んだ瞳に、恥ずかしかったからか赤く染まった頬。

耳まで真っ赤なくせして、最後まで強気。




あれは、反則………

マジでヤバイ。


あーあんなこと“お願い”しなければよかった。


あんな顔、誰にも見せたくない。


―――胸の鼓動がおさまらない。


「“あたし”じゃなくて、“私”だし。」




こんなつもりじゃなかったのになぁ………。