『…ありがとう、相談乗ってくれて』



丁度、ウジ虫が蹴りを付けた。



「いや、こちらこそなんかありがとう」



男性ファンと話が出来ただけで嬉しい。



『明日からまた仕事頑張れる!』



なんだ、社会人か。



そういう私も明日、普通に学校だけど。



「うん、そっか、頑張ってね!」


『本当にありがとう!じゃあ、おやすみ』


「おやすみ!」



そういって同時に通話を切った。



かれこれ1時間くらい電話してたらしい。



「は〜、楽しかったからまあいっか」



とりあえずお風呂に入ろう。


と、その前に。



「……またか…忙しいねえ」


話し過ぎて乾いた喉を潤すために
台所へ向かう。


テーブルに置かれた
置き手紙には母親が書いたと思われる字で、



『またしばらく帰りません。

ごめんね。お母さんより』



と。



「いつもの事だから分かってますよう」



毒を吐いて風呂に入る。



「あッ」



すっかり忘れてた。



「名前、聞いてないじゃん…」



まあいいか、1度きりだろうから。



早くあがって、早く寝よう。



青の歌う顔が脳裏に焼き付いて
夢に出てきそうな気がする。


楽しみだなあ。