毎日毎日繰り返されている情景だと言うのに、なんだか俺は落ち着きがなかった。


どうゆう訳か、回診車のパソコンに色々記録したり、点滴が落ちているか確認している佐原さんを、目で追ってしまって。




「湊くん、昨晩はありがと。お陰で叱られなかったわ」




「えっ??……あ、はい……」



急に話しかけられて、驚いて心臓が飛び跳ねる。
ずっと佐原さんを見ていたくせに、思わずパッと目を逸らしてしまう。



───なんでこんな緊張してんだ……。



これは……あれだな、そう。

弱い部分を見せちゃったから、気まずいってだけだ。そりゃそうだ。

”どんな時も笑顔”をモットーにしてきた俺にとってみたら、泣き顔を見せるなんて前代未聞。


恥ずかしいんだ、普通に。