「・・・ん?亜子・・・?くしゅっ」
顔をあげたミコトが小さくくしゃみをする。
ほら!
「なんでこんなところに!え、なんで手・・・」
慌てて中に引っ張り込もうとしてよく見ると、ミコトは手をタオルで縛っていた。
どうしてこんな事・・・。
「と、とにかく中に!お風呂準備するからすぐに入って」
「・・・亜子・・・」
「ほら、早く!」
せかせかと腕のタオルをほどき、ミコトを中に引っ張り込む。
ソファに座らせ、身体にタオルケットを巻きつけた。
「待ってて!」
慌ててお風呂の準備を始める。
お風呂入りきるのにも時間がかかる。
寝室から毛布を運びだしそれでミコトを包み込んだ。
「もう少し待ってね。お風呂張るのに時間かかるから」
「なんで・・・。なんで、おれのためにそこまでしてくれるの?」
ミコトの震える身体。
顔も青白く唇の色も紫。
妖狐でも、やっぱり寒空の下に防寒もしないでいればこうなるんだ。


