「おい」
歩き出したところで、後ろから呼び止められた。
振り返るとそこにはさっき金田先輩と一緒に行ったはずの遊佐先輩。
「え?どうしたんですか?」
「ん」
「え・・・?」
ぶっきら棒に渡されたコンビニの袋。
なんだろう?と思いながら中を覗き込む。
中には、スポーツドリンクとのど飴が入っていた。
「え、これ・・・」
「悪化させて休まれても困るからな」
「あ、ありがとうございます」
なにそれ・・・。
なんでそんな突然優しさなんて。
驚きを隠せないでいると、遊佐先輩は眉を寄せたまま踵を返しいってしまった。
これ、わざわざコンビニで買ってきてくれたの・・・?
私のために?
嘘、でもなんで・・・?
考えても考えても全然わからなくて。
それでも嬉しくてありがたくもらっておこう。
突然の優しさに戸惑うのだった。