さっき、私に殺気を憎しみをぶつけてきたのと同じとは思えない。
でも、確かにさっきのもミコトで。
今こうして心配そうに泣いているのも、ミコトなのだ。
「・・・ごめん。ミコト・・・、少し眠りたいの。一人にしてくれる・・・?」
「・・・わかった」
心が追い付かない。
飼い犬に噛まれる――その言葉のとおり。
でも、あれは寝ぼけていただけだと。
そう割り切ることができない。
それ程に怖かった。恐ろしかった。
“人間が嫌い”そう言っていたミコトの言葉。
私はちゃんと、正しく理解できていなかった。
もっと単純な、簡単な事なのだと思ってた。
違う。
違ったんだ。
もっと根深く、きっと、簡単には消せない思いだった。
それ程深い憎しみを、感じた。
それはきっと、ミコトの中に根強く残る苦しみなんだ。
簡単に消えることなんてない。
きっと消せない想いなのだ。


