溺愛妖狐ひろいました




気が付いたのは、どれくらい経ってからだっただろう。
ゆっくりと開いた瞳が自分の部屋の天井を映し出した時、ああ、生きてるんだと呆然と思った。


死を覚悟した。
それ程恐ろしかった。



身体はけだるく、動かせそうにない。
今は、何時くらいだろう。



もう明け方だろうか、それともまだそれほど時間は経っていないのだろうか。
そんな事もわからず、ただ茫然と天井を見上げる。




「―――っ、亜子!・・・亜子!」



聞こえてきた泣き出しそうな声。
その声が、ミコトのものだとぼんやりと考える。

ああ、気が付いたのかと。
うなされていたけど、目を覚ましたのだと。

だからこそ、私は今生きてるんだと・・・。



「亜子・・・、亜子・・・、ごめん、ごめんね・・・」



覗き込むように顔を見せたミコトはすでにもう泣いていて。
ポロポロと涙を流しながら心配そうな瞳を私に向けている。


「・・・ごめ・・・。ごめんなさい・・・」




ただ、何度も、何度も、そうやって謝って。
それ以外の言葉は発さず、ただそうやって泣いている。