溺愛妖狐ひろいました



お人好しだってことは、自分がよくわかってる。
これまでさんざん人に言われてきたし。

今だって、妖狐だなんて厄介ごとに足を突っ込もうとしてる。



「ただいま」



それでも。
ただいまといって誰かが待つ家に帰れることが。
甲斐甲斐しく世話を焼ける相手ができたことを私自身が嬉しいとさえ感じてしまっているんだ。

そのことに気づいてしまったから。




「ミコト・・・?」



いつもなら、飛び付くようにおかえりって言って出てくるミコトが今日は来ない。
不思議に思いながらリビングに行くと、ソファで横になっているのが見えた。

寝てるのかな?


今日は何をして過ごしたんだろう。
つまらなくないように、テレビの付け方を教えた。
字が読めないというミコトが見て楽しめるように写真集を買ってみた。

今度字を教えようとひらがなのドリルまで買ってきた。



私がすることを、ミコトは嫌な顔一つしないで受け入れてくれる。
だから、私のお節介はとどまることを知らない。


本当は、よくないってわかってるのに。




「ミコト、ただいま・・・」




依存しているのかもしれない。
ミコトが私に懐いてくれている以上に、私自身もミコトに依存してしまっているのかも。