「雨宮に育てられる犬とか、バカ犬になりそうだな」




どこで犬の写真をゲットしようかと考えていると頭上からバカにしたような声が降ってくる。
この声は・・・。



「遊佐先輩!?」

「わ、遊佐先輩・・・」



驚いて声をあげた私と、同じくらい驚いた様子の秋穂。
遊佐先輩は缶コーヒー片手に私の後ろに立っていた。



「ちょっと、なに人の話盗み聞きしてるんですか」

「ばぁか。通ったら聞こえてきたんだよ。被害妄想」

「だったら、無視しといてください!いちいち声かけなくて結構ですから」

「可愛くねぇ女」

「か、可愛いなんて思ってもらわなくて結構です!」




ああ言えばこう言う、じゃないけれどズバズバとはっきりとモノを言う遊佐先輩に、私は思わず反抗してしまう。
なんだろう、どうして遊佐先輩相手だとこんなにも言いたいことをはっきり言い返せるんだろう。




「そんなだから―――――あ・・・」

「・・・なんですか」

「いや、別に」




しまったというような表情を浮かべた遊佐先輩。
絶対、金田先輩の事言おうとしたんだ。
ほんと性格悪い!