溺愛妖狐ひろいました



「とりあえず、行こう。美容院の予約の時間もあるから」

「・・・うん」



ミコトは、あまり納得がいっていないようだけど私が腕を引っ張り促すと仕方なく頷いた。
世間知らず。
それは仕方がないこと。

だって、彼は妖怪で、妖狐で人間の事なんて知らずに生きてきたのかもしれないから。


それを私がお節介で拾って手当てをして、人の世界に引き込んだ。



世間知らずなところはきっと、根気よく教えていけば身についていくことだと思う。
でも、性格的なものはそう簡単にはいかないだろう。


さっきのミコトは、私に懐いて甘えてくれていた時のミコトとは全くの別人のようだった。
空気が変わって、恐ろしいとすら感じた。




「とりあえず、男物のショップが集まってる階に行こう」

「うん」

「ミコトも、いいなって思うものがあったらいってね」

「わかった」




もし、ミコトを怒らせたらどうなるのだろう。
ミコトが人の事を知らないように、私も妖狐の事なんて知らない。

どれ程の力があって、どれ程の影響力があるのか。

その力は、生きてる人間にも影響を及ぼすことはあるのか・・・。