溺愛妖狐ひろいました



「亜子は、奥手すぎるのよ」

「奥手とか・・・。先輩は憧れで、別に彼女になりたいなんて高望みは・・・」



だって、仕事ができて気配りも上手で、背が高くてかっこよくて・・・。
そんな先輩が私なんかに振り向いてもらえるなんて到底思えない。



「亜子って、変だよね~。お節介でお人好しで人の事あれこれ手を焼くくせに、引っ込み思案で人見知りなんて」

「お節介でお人好しって言っても、断れないだけだよ・・・」

「まぁ、それもあるよね」



自分に自信がないから、一生懸命尽くしたくなる。
できることは何でもやって、見捨てられないように・・・。

でも、そうしていくと結局言われちゃうんだ。



重い。って。





「あ、噂をすれば」

「えっ」



休憩室に入ってきたのは金田先輩と、先輩の同期である遊佐浩一(ゆさこういち)先輩。
遊佐先輩も、かっこよくて社内では結構人気がある。




「あ、雨宮。千葉も。お疲れ―」

「先輩、お疲れ様です」

「お、お疲れ様です」




わ、わ、話しかけられた!