「じゃあ、家の中では普通の姿でいたら?他に誰もいないんだし」
ミコトのためなのか、自分のためなのか私はそんな提案をしていた。
というか、そもそも、他の人にミコトの姿は見えるのかな。
「あのさ、ミコトの姿って他の人にも見えるの?」
「ん?・・・人型に化けたら見えるよ。でも、普通の姿は多分、素質がある人しか見えない」
「素質・・・。霊感みたいな?」
「・・・?たぶん?」
ミコトはいまいち霊感がわからないらしく首をかしげた。
霊感・・・、今までユーレイもミコトみたいな妖狐も、妖怪も一度も見たことなんてなかった。
それなのに、突然そういう素質ができたってことなのかな?
「そう言えば、ミコトは何も覚えてないんだよね?」
「・・・うん」
「じゃあ、元気になっても帰るところないんじゃないの?」
「・・・でも、亜子がいてくれるでしょ?」
何の迷いもない瞳で。
はっきりと言い放つ。


