ここは本当に小さな会社だから、企画から運行まで少人数で丁寧にかかわる。
社員も気心知れた人たちばかりで、意見を出し合いながらいいプランを提供できるように懸命だ。
私も、その一員でいられること誇りに思う。
でも、私はまだ何も貢献できていない気がする。
引っ込み思案で後ろ向き。
お節介やお人好しも、空回りするようなダメダメさ。
「それより、先輩とはどうなの」
「どうって、なにもないよ・・・」
突然聞かれた問いに私は戸惑う。
会社の先輩、金田武(かねだたけし)さんに、私は片思いをしている。
きっかけは些細なこと。
私がミスをして残業していた時。
泣きながらパソコンと向かい合ってた私に優しく声をかけてくれて、甘いコーヒーを差し入れしてくれた。
“ミスなんて誰にでもある。そっからどうするかが一番大切だからな。手伝うから一緒に頑張ろう”
先輩のその言葉は、今でも覚えてて私の支えになっている。