後ろから、突然に抱きしめられて。
私はその温もりに、いろんな感情がこみ上げてくる。




泣きたいのか、笑いたいのか、どうしたいのかわからないほどの感情。





「―――尊っ!」




間違えるわけがない。
違えるわけがない。
だって。


ずっと想ってた。




ずっと望んでた。




「亜子っ!亜子亜子!」





確かめるように。
何度も。何度も。



呼ばれる名前が愛しくて。





「尊!」




同じように名前を呼ぶ。
こうして触れ合えばまるで昨日の事のように思い出す尊との日々。




思い出す、尊への想い。