そんな私の事なんてつゆ知らず、ミコトは躊躇いなく口をあけるとぱくっと食べた。
もぐもぐと咀嚼し、嬉しそうにのこっと笑う。
「美味しい!」
「そ、そう・・・。よかった」
熱はあるけど、元気はありそうでよかった。
ここまでしたからと、諦め半分でもう一度雑炊を救うとミコトの口に運んだ。
全部綺麗に食べきったミコトをベッドに寝かせ、温かいように布団を肩までかけた。
「汗かいたら服着がえるから。温かくして寝ててね。私はあっちの部屋にいるから」
「・・・亜子。人間は、熱でたらみんなこうしてくれるの?」
「え?・・・まぁ、やり方はそれぞれだと思うけど、看病はするかな」
不思議そうに尋ねられ、私は今まで疑問に思ったことがなかったから答えに困りながらもそう答えた。
人それぞれだとは思うけど。
でも、妖怪にはそもそもそう言う感覚はないのかもしれないな。