だってそんな事を言われたら、泣いてなんていられなくなる。
私だって、笑っていたいと思てしまう。
笑った顔を、尊に覚えていてほしい。
「ずるいよ・・・」
「うん。おれ、ずるいんだ。だって、亜子の笑顔があれば、亜子との思い出があれば、どんな苦痛でも耐えられる気がするんだ。だからおれ・・・」
「・・・だから?」
「亜子にとっては絶対断った方がいいってわかってたのに、亜子の好意を受け入れたんだよ。だからおれ、ずるいんだ」
「尊・・・」
「亜子が苦しくなるの、わかってて・・・。ごめんね」
そんなことないよ。
だって私だってわかってた。
尊と離ればなれになる未来。
こんなにも早いとは思っていなかったけれど。
それでも、好きになったのは愛してしまったのは。
そんな未来を知っていてもなお、尊がいいと思ってしまったから。


