それでも、願わずにはいられない。
「尊がいい・・・。尊じゃないと、ダメだよ」
縋るように抱きついた尊の身体。
尊はそっと抱きしめ返してくれる。
「さよなら、亜子」
「やだ・・・!尊!なんでそんな物分りいいこと言うの!?私は嫌だよ!さよならなんて、したくない!」
わかってたこと。
それでも抗いたくなるの。
だって、好きだから。
愛してしまったのだから。
「諦めろ、亜子。どう足掻いたところで上の決定は覆せない」
白銀にもそう言われ、納得できるほど私はできた人間じゃない。
どうして尊はそんなにも。
笑っていられるの。
「なんで・・・!」
「・・・おれの、笑った顔を覚えていてほしいから」
「・・・っ!」
狡いと思う。
だってそんな。


