「ごめんなさい」


尊と別れた次の日、私は遊佐先輩に告白の返事をした。
たとえ、尊への想いが叶わないとしても。
そうだとしても私はやっぱり尊が好き。


尊のことを忘れることはできない。



他人から見れば馬鹿げているかもしれない。
もう会えないかもしれない人。

生きる場所も生きる長さも何もかも違う。
それでも、忘れることのできない恋なの。


まだ少し足掻いてみたい恋なの。




「・・・あいつが好きなのか?」

「はい」

「人間じゃないんだろ?それでも」

「それでもいいんです。それでも、私には尊がいいんです」



わかってもらおうとは思わない。
でも。
先輩にはちゃんと話したいと思った。


私を好きだと言ってくれた。
その想いには、ちゃんと正直に答えたかったの。