溺愛妖狐ひろいました



「尊・・・。よかったね、巴様が戻ってきて。ここに、戻って来られて」

「うん。亜子のおかげだ・・・。本当にありがとう」



嬉しそうに笑うから。
私は胸が苦しくて。




「私は、家に帰るけど。・・・尊は、ここに残って」

「え・・・?」

「せっかく、巴様に会えたんだもの。もう、私のところにいる必要はないでしょう?尊には、時間がないんだから。残りの時間、尊が大好きな人の側にいるのがいいよ」




きっと。
巴様が戻って来たからといって、尊の罪は消えない。
罪というのは、きっとそういうもの。
だったら、やっぱりその方がきっといい。

尊だって、そうしたいはず。



「巴様、ありがとう。最後に私の願いを聞いてくれて。見えないままさよならは悲しいから。最後に見えてよかった。尊の事、お願いします」



祠に向かってそう言うと頭を下げる。
離れたくない。
本当は、縋ってでも連れて帰りたい。


だって、好き。
好きなのよ、尊。



そう叫んでしまいたいの。