溺愛妖狐ひろいました



「よく来たねぇ、亜子」

「久しぶり、おばあちゃん」



久しぶりに会うおばあちゃんは、いつものように明るくて。
元気そうなことに安心する。
突然故郷に行きたいというから気弱になっているのかと思った。



「おばあちゃん、突然故郷に行きたいなんてどうしたの?」

「ん?ああね、神様にお会いしに行きたいの」

「神様?」

「もしかしたらもう、いないかもしれないのだけどね。長いことお参りに行けなかったから。それでも、お会いしたいのよ」




おばあちゃんは懐かしむような表情を浮かべる。
小さい頃にでもお参りしていた神社でもあるんだろうか。

神様・・・か。
なんだか、尊に出会ってから少し身近に感じてしまう。



人の信仰により生まれ、消えていく神様。
おばあちゃんの故郷の神さまも、もしかしたら時代の移り変わりによって消えてしまったのかもしれない。

おばあちゃんも、それをわかっているような口ぶりだった。
そういうのって、常識なのかしら。