――そうなのよ。どうしてもって聞かなくて。お母さんだけじゃ不安だから、一緒に行ってくれない?

「それは構わないけど・・・。村って結構山の方だったよね?おばあちゃん大丈夫なの?」



足腰の悪いおばあちゃんには結構しんどいんじゃないかしら。
でも、確かにいけるとしたら今なのかな・・・。

これから先、足腰はもっと弱くなるだろうし。
おばあちゃんが行きたいと思う場所なら、やっぱり連れて行ってあげたい。




――次の日曜日でいい?車は家のを使えばいいから

「うん。わかった。ナビに住所いれといてくれる?土曜日にそっち帰るね」



電話を切って一息つく。
おばあちゃんの田舎・・・か。
小さい頃何度か行ったことがあった。



おばあちゃんの故郷といっても、おばあちゃんが小さい頃住んでいた村。
おばあちゃんも、小さい頃村を出なくてはいけなくなってすぐ近くの町へと移住したんだと聞いたことがある。
でも、おばあちゃんはその村が大好きで、大人になってからもたびたび足を運んでいたらしい。

私もそれに連れて行ってもらったことが何度かあった事を思い出した。