ケンカするほど仲がいい。
この二人の関係って、そういうこと?
楽しそうにも思えるそのやり取りを私は暖かな気持ちで見守る。
「白銀って名前も、巴様が付けたの?」
「・・・そうだ。だから、俺は気に入っている」
「うん。とてもいい名前だと思う。尊も。巴様って、本当に素敵な神様だったんだね」
そう言うと、白銀の表情がフッと柔らかくなった。
そういう表情もできるんだ。
「尊、お前はこれからも人間の社会で過ごすつもりか?」
「え?あ、・・・ダメかな?」
「お前がそれでいいのなら、俺は止めはしない」
「え、いいの?」
「お前が反省し、生きること、それ自体も贖罪になるだろう」
「・・・うん。ありがとう」
白銀は、きっと優しい人・・・優しい妖狐なんだろう。
言葉はとても厳しく冷たく感じるけれど、どれも尊を思っているように思えた。