溺愛妖狐ひろいました



でも、現実はとても厳しくておれにできることなんてなにもなかった。
きっと、シロもわかってたんだ。
シロはおれと違って頭がいいから。




「尊、あなたの名前はね」

「尊いって書くんだよね」

「そう。大切って意味。白銀もね、大切。二人とも、私の大事な家族よ」




日に日に力が弱まり、起きている時間も短くなってきていた。
姿を保つことも危うくなり、纏う空気も弱々しくなっていく。

それが終わりを告げている様で。
すぐそこまで来ているかのようで。



「尊、本当にあなたはいい子。優しくて心の温かい子」

「巴がいたから。おれを拾ってくれたから」

「きっと、あなたなら私の他にも、気に入ってくれる神が現れる。きっと、愛されるわ」

「なに言ってるの。おれは巴以外のところにはいかないよ」




巴はきっと、最期の時を覚悟していた。
自分の未来を受け入れてたんだ。



でも、ある日を境に巴の様子が変わった。