溺愛妖狐ひろいました



そんな事、ないのに。
シロだってきっと辛くて、きっともしかしたらおれ以上に。
だって、シロはおれよりずっと巴の側にいたのだから。



「時が流れ時代が変われば人も変わる。人の趣向も風習も、なにもかも」

「それでも、巴はこれまで村のために!それなのに・・・」

「裏切られたと思うか?」

「・・・違うの?」




だってあんまりだ。
いつだって巴は村のために。

参ってくれた人間の願いを叶えるためにその力を使って来たというのに。




「人間が神にすがる時というのは、何か欠けたものがある時だ。作物の不作、身内の不幸、村の繁栄」

「どういう意味・・・」

「この村はもう、なにも望んじゃいないのだ」

「望みが、ない?」

「捨てられたんだ。村も、そして俺たちも」





ひどく、悲しい目をしていた。
きっと今まで見たことのないシロの顔。




「だが、それを嘆くのは間違っている。自然の摂理なのだから」





間違ってる?
巴が消えるかもしれないのに。
それが仕方ないと言う。