溺愛妖狐ひろいました



人は都会へ流れていき、村の人口の減少は、どうにも止められるものではなかった。
村に残った人間たちも、時の移ろいにより信仰にすがる風習が薄れていっていた。


それに伴うように、巴の力も衰えていった。




「巴、大丈夫?」

「ええ、尊。私はどれだけ眠っていたのかしら」

「半日くらい」

「そう。今日は、誰か訪ねてきた?」

「・・・ううん」

「そう・・・」




それでも巴はいつだって笑っていて。
恨み言を言う事も、弱音を吐くこともなかった。
おれはただ弱っていく巴を見ていることが辛くてたまらなかった。



「逃げるのか」




祠を飛び出したおれに、シロは冷たく声をかけた。
グッと拳を握り振り返る。



「違う!人間たちに、戻ってきてもらう!そうしたら、前みたいに巴は!」

「戻ってきてもらう?はっ、馬鹿な事を言う。そんな事、どうやったらできると言うのだ」

「じゃあどうしたらいいの!?黙って見てたらいいの?」




どうしてシロは、そんなに平然としていられるの。