くすくす、とおかしそうに笑う声。
おれがハッと振り返ると、楽しそうな顔の巴がいた。
「巴ッ!」
「こらこら、尊。白銀とも仲良くしなさい。あなたたちはここに暮らす家族のようなものなのよ」
「家族?ふぅん。巴がそう言うなら」
「ふん。俺はお断りだ。こんな野蛮な元野孤など」
「こら、白銀」
「おれこいつ嫌い!仲良くすんのやっぱや!」
シロはきっと、ずっと自分が護ってきたものの中におれをいれたくなかったんだ。
シロはシロで、巴を大切に思ってたことはわかった。
巴はいつも優しく暖かく穏やかな神様だった。
「こら、尊!雑草は根っこから抜けといつも言ってるだろう!」
「わかってるよ!でも、ブチッていっちゃうんだから仕方ないじゃん!」
「気合が足らんのだ。気合が」
「気合じゃどうにもなんないよ!ほら、シロが抜いたところだって!」
いつだってシロはケンカ腰で。
おれだって負けたくなくて。
言いあいばかりだった俺たち。
でもシロは、神使としての仕事だけは面倒がらずにちゃんと教えてくれた。