「こいつは罪を償わなければならない。然るべき場所に連れて行き罰を受けてもらう」
「罪って、罰って、なに?」
「お前は、こいつの仮初めの姿を見ていただけ。こいつの本性は先ほどの獣だ」
白銀は淡々と説明をする。
罪とか罰とか、本性とか。
そんなことの方が、私には関係ないよ。
「私にとって、尊は純粋で、まっすぐて。確かに気性が荒くなることもあるけど、素直な優しい妖なの」
「だから、それが仮初めだと」
「そうだとしても!私にとってはそれが真実で、本当なの」
さっきの尊は、確かに怖くて。
それでも、やっぱり。
これまでの尊だって、やっぱり尊自身だって思う。
「目を覚ました時、そいつはお前の事をまた襲うかもしれないんだぞ」
「・・・それは」
「おそらく、そいつが忘れていた記憶は全て戻っているはず。お前の事も、憎い人間としか思えないだろうな」
「・・・」
悪夢まで見てうなされていた尊。
覚えてはいなくても、心に刻まれた憎しみは溢れるほどだった。
尊の辛く悲しい過去。
私は知らないけれど。
それをすべて思い出したというのなら。


