溺愛妖狐ひろいました



「ああぁぁあ!!」




尊が唸り声をあげ、身体をバタバタと身じろいだ。
ビリビリと空気が張り、医務室の中にあるものがガタガタと音をたて揺れる。




「きゃっ」

「無様だな」




白銀部長・・・違う、白銀はそう言うと右手を尊に掲げる。
すると、尊は一層苦しそうに叫んだ。



「や、やめて!やめてよ!」

「うぁぁぁあああ!!」




一度、大きく叫ぶと、ガクッと体の力が抜け、尊は気を失ったようだった。




「尊、尊っ!」



どうしてこんなこと・・・。
苦しそうだった。
今まで見たことのない尊の姿。


獣だと彼は言ったけど。
でも、私にとっては。



「ひどい・・・、ひどいよ!こんな痛めつけるようなこと!」

「黙れ人間。貴様には関係のないこと」

「そうかもしれないけど!こんなの見過ごせないよ」



私の知らないことをこの人は知っている。
それでも。
それだけのことがあったのだとしても。



「お前には関係ない。もう、こんな獣のことなど忘れて日常に戻るのだな」

「忘れててって、尊をどうするつもりなの?」