「あの化け物には気をつけろ」





日曜日の朝。
少し早く目が覚めて、まだ眠っていた尊を置いてコンビニに出かけた矢先。


ばったりと出くわした見知らぬ男の人に早々に言われた一言。
私は、いったい何の事だか、そもそも誰に向けられた言葉なのか一瞬わからず立ち止まる。


それでも視線は私の目を真っ直ぐと見据え。
きっとそれは私に向けられた言葉なのだろうと判断できるけれど。


その言葉の意味は、いくら考えても理解できない。



真っ黒な長髪、きりっと鋭い瞳。
長身で細身ではあるけれど服を着ていてもがっちりとした引き締まった肉体だとわかる。





「心を許しすぎるなよ」

「え・・・?」




続けざまにそう言われ、私は戸惑う。
けれどその男の人はそのまま歩き出すと私を通り過ぎていってしまった。



心を許しすぎるなって・・・?
いったい、なんのことを言っているんだろう。



ただの不審者?
それとも・・・。