｢言い訳してんじゃねぇよ｣



ドスのきいた声。
女性は、一層肩を縮ませる。


男性の本気でキレた怒号は、身が震えあがるほど怖いものだろう。
それが自分に向けられていたら尚更。


でも、同情なんてできない。
私だってそれくらい怖い思いはしたんだ。




尊が私だけに懐いてくれてること、確かに私は悦に浸っていたかもしれない。
だってそれは、私が拾って世話をして側にいるから。



でもそんな事、この人は知らない。
羨ましがられても仕方がなかったのかもしれない。

でもだからって。



許されることじゃないよね。





｢この先、こいつらになんかして見ろ。次はもう止めないからな｣






遊佐先輩は最後にピシャリと言い放った。