溺愛妖狐ひろいました



定時が過ぎ、今日は早めに退社しようと荷物を纏めそそくさとフロアを出た。
エレベーターで1階まで降り、足早にビルを出る。


ビルを出て私はいつも、ビルの横、非常階段の下を通り抜け駅に向かう。
駅を使う人は大抵このルートだ。




だから、今日もいつものようにその道を通って帰ろうとした。
少し足早に、わき目も振らず。




「雨宮!」




突然の声にハッと足を止める。
身体が急に後ろに引っ張られ尻餅をつくように倒れこんだ。

その瞬間、私がさっきまでいた場所に頭上から鉢植えが落ちてきて、激しく割れる。




「・・・え・・・・」




いったい、何が起きたの?
私は、気が動転してなにが起きたか理解できない。



私の身体は誰かに抱きしめられていて、そんな事も気にならないくらいに動揺していた。




だって、今、私めがけて・・・。