『ミコトくんだけに飽き足らず、遊佐浩一さんにまで手を出す最低女!身の程知らず!』



次の日、出勤すると私のデスクの上に無造作に置かれた封筒。
その中にそう書かれた紙が入れられてあった。

それは、字体を誤魔化すためかパソコン打ちしたもので差出人なんてものはもちろん書いていない。




「亜子?どうかした?」




それを見て、愕然としている私に秋穂が声をかける。
私はハッとして、その紙を折りたたむと顔をあげた。



「え、あ、ううん。なんでもない。仕事に取り掛からないとね」




笑ってそう言ってその手紙をポケットに押し込んだ。
秋穂は、首をかしげながらもそれ以上追及することなく自分の仕事に取り掛かる。
そのことにホッとして、私は椅子に座った。




いったい、誰なの・・・?
わからないから余計に怖い。


姿を現さず一方的に。
でも、私が尊や遊佐先輩と関わりがあることが気に入らない人の仕業ってことはわかった。