溺愛妖狐ひろいました



「あいつ、嫌い」

「ふははっ!そんな風にはっきり言えるの、きっと尊くんだけだよ」

「なんで?」

「尊くんは、いい意味でも悪い意味でもだけど正直だよね」




秋穂は心底面白がっている風で。




「でも、こういう社会ではね。そういう事を思ってもぐっと我慢しないといけない場面が多々あるんだなぁ」

「・・・なんで?」

「だって、同じ会社にいて一緒に働かないといけない相手だよ?自分の事を嫌いって言ってる人に、親切に仕事を教えたり、一緒に頑張っていこうって思える?」

「・・・思えない」

「でしょう?いくら嫌いでも、同じ会社にいる以上一緒に働かないといけないんだからね。感情的になったら自分が損しちゃうことだってたくさんあるよ」

「そっか・・・」




尊は納得したように頷く。
やっぱり秋穂はすごいな・・・。

尊にわかりやすく、納得できる言い方でいい方向へ持っていってる。


「でもだからって、なんでも我慢する必要はないからね。理不尽な事にはちゃんと反論しなくちゃ。理不尽にまで我慢する必要はないよ」

「・・・うん」




私には、できなかった。
感情的にダメだっていう事しか・・・。