それが始まったのは、この間私が八つ当たりをしたあの日から。
あの時、尊を庇うように私の文句を言っていたあの人たちの中の誰か・・・?
もしくは、みんな・・・?それともまったく別の・・・。
疑心暗鬼。
嫌だな。
あまり人を疑う事をしたくないのに。
「あ、あの、亜子・・・」
「え?」
「お昼・・・一緒に食べてもいい?」
恐る恐る、伺うように尊が声をかけてくる。
あの日から、会社ではこんな調子だ。
「うん。食べよっか」
「・・・うん!」
私の八つ当たりを、こんな風にちゃんと受け止めて我慢してくれようとする。
健気な尊に、私が好いてもらう資格なんてない・・・。
―――――っ、
また、嫌な視線を感じた気がして振り返る。
でも、そこには誰もいない・・・。
気にしすぎなのかな・・・。