「気をつけなよ、亜子」
「え?」
「女の嫉妬ほど怖いものはないっていうしね」
「なによそれ・・・」
昼食時、秋穂が神妙な面持ちでそう言った。
尊は男性社員に強引に食事に連れ出されたから今日はいない。
失礼なことしてなきゃいいけど。
そして、正体がばれなければ・・・。
なんて心配してもきりがないし、こっちの身も持たない。
「尊くんの事よ。あれだけの容姿でしょ。本気やらミーハーな気持ちやら、狙ってる子増えてるわよ」
「う~ん・・・」
「他の会社にまで噂回っちゃってるみたいだし」
「そうみたいね・・・」
朝の女の子たちの会話を思い出す。
日常に刺激は欲しいものだし、尊の存在はきっと刺激的なものなんだろう。
「妬みが亜子に向かなければいいけど」
「はは・・・」
「尊くん、親戚ってのもあるんだろうけど、本人はなんだか人間不信みたいな所あるけど、亜子にべったりじゃない?」


