ちょっと待ってよ・・・。
私、そんなこと思ってないし、邪魔なんてするつもりない。

確かに、自分にだけ無防備になってくれる尊の事可愛いって思うし、多少の優越感は感じていたけど。



でも、他の子の邪魔をしようなんて思ったことなんてないし。



「どうにかお近づきになれないかなぁ」

「頑張らないとね!あんなイケメンに出会えることなんてそうそうないんだから」

「そうだよね!」



女の子たちはキャッキャと盛り上がりながらエレベーターに乗り込んでいった。
私はすっかりエレベーターに乗り遅れ、閉じてしまった扉の前で立ちすくむ。


尊が目立つことだって、知ってたし。
ミーハーな女の子の格好の餌食になることくらい予想できた。


それでも、尊の希望を聞いて働く道を作ったのは私で。
こうなってしまう状況を作ってしまったのも私。




「・・・仕方ないよね」




あまり気にしないようにしよう。
別の会社の人たちだし、あまり関わることもない。
会わなければいいし、何か言われることくらい平気。