「・・・妖狐」
「ようこ・・・?あの、狐の妖怪の・・・?」
「・・・ああ」
妖怪って本当にいたんだ。
見た目ってこんな本物の狐みたいなの?
ただ喋るだけで・・・。
「今は、怪我のせいで力が弱まってるからこの姿なのだ。・・・力が戻れば」
「へぇ」
私の考えてることを読んだのか、狐はそう不愛想に答えた。
なんか、可愛げないのよね。
「で、なんでそんな傷だらけなの?」
「・・・覚えていない」
「え?」
「目を覚ます前の事は・・・覚えていない。人間が嫌いなこと以外は」
覚えてないって、なんで人間への嫌悪感だけは覚えてるのよ。
わからないけど、それだけのことがあったのかな?
「じゃあ、なにも覚えていないのね」
「ミコト・・・俺の名前。それは、覚えてる」
ミコト・・・。
名前あるんだ。


