夜中に目を覚ますと、右手が温もりに包まれていて。
そっと視線を移すと、ミコトが私の手を握りながらベッドにうつぶせて眠っていた。
「こんなところで寝て・・・」
本当に、ずっと側にいてくれたんだ。
なんだか無性に泣きたくなった。
そっと左手で額にあたると、もう熱は下がっている様だった。
そのことにホッと息をつく。
ミコトに、心配かけちゃった。
それと、遊佐先輩にはすっかり迷惑を・・・。
会社に行くのが憂鬱すぎる。
ミコトの事ツッコまれたらどうしよう。
でも、親戚ってことにしているし。
親戚が家にいてもおかしくはないよね。
会社に行った時の事を考えると憂鬱になりながらも、右手に感じる温もりに今は浸っていたいと思う。
それくらいには、私にとってのミコトの存在も大きなものになっていたんだ。