溺愛妖狐ひろいました



優しい言い方なんて、できない。
そんなものを自分に求める方が間違っているのだと。


それでも。
亜子は、最後まで泣きながらも、懸命に努力を惜しまずついてきた。


だからこそ、自分も力を貸したいと。
必ず成功させたいと。



あと少し。
あと少しと無理をさせてしまったように思う。




「ここ・・・だったよな」



接待の日に送った部屋の前までたどり着く。
この先、どうしようかと迷う。


ぐったりと眠ってしまっている亜子を起こすべきなのだろう。
さすがに、この先は亜子の意識がないうちに入ってしまうのはまずいだろうと、さすがの浩一も思う。



「・・・今からでも、千葉を呼ぶか」



送るのは男の力が必要だろうと自分が送ってきたが、女手も必要だったと今更ながらに思う。
鞄の中を探り、スマホを手に取った。
秋穂でも呼び出すかとスマホをいじる。




その時。
予想外に、部屋が内側からガチャッと開いた。




「亜子っ!」




弾むような声に、いじっていたスマホを止め、顔をあげる。