溺愛妖狐ひろいました



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浩一は、亜子を背中に負ぶい、亜子のアパートに向かっていた。
倒れた亜子の触れた身体は酷く熱く、熱を出しているのだとわかった。

周りの同僚や上司に話をつけ、もう片づけも終わっていたため亜子の家まで送り届けることになった。



浩一の背中で、荒い呼吸を繰り返し苦しそうな亜子。



ずっと、無理をしていたのはわかっていた。
残業が続き、慣れない接待では辛い思いもさせた。



武には、自分に酷く怒鳴られた後、密かに泣いていたことを告げられた。




「・・・はぁ」




特別重いわけではないが、力の抜けた人間一人はそこそこ体力を消耗する。
一息ついて、階段に差し掛かった。



自分が、口が悪いことも仕事に厳しすぎることもわかっていた。
これまでも、それで他人を傷つけたこともたくさんあることも。



それでも、仕事に手を抜きたくはなかったし、周りにもそれを求めた。