「いやぁ、遊佐くんとこうして飲む機会ができてうれしいよ」
「こちらこそ、お誘い感謝します」
「そうだ。あのプラン見たよ。なかなか面白いプランを考えるね」
「ありがとうございます。それには、大蔵旅館様のご協力が不可欠でして」
遊佐先輩は饒舌に話を続ける。
こんな風に笑顔を張り付け喋る姿なんて、普段見たことないや。
営業スマイルってやつなんだろうか。
「その件に関しては、いろいろ検討させてもらおう。今日はその件は抜きにしっかり楽しもうではないか」
「はい。そのつもりでやってきました」
「ほれ、君もどんどん飲みなさい」
「あ、ありがとうございます」
私は慌てて頭を下げる。
こういうのって、苦手だ。
でも、苦手だなんて言ってられない。
失敗は許されない。


